東京大学安田講堂
東京大学総長杯争奪全国学生弁論大会に出場する小森 武尊さん(デザイン学科1年)
毎週木曜日、文京キャンパスH館2階と、八王子国際キャンパスの学生交流会館341号室にて活動中。現在は1〜2年生を中心に10人の会員が活動中。プレゼン術の習得や他大学の学生との交流に関心のある方におすすめのサークルです。SNSもやっていますので、興味のある方はぜひのぞいてみてください!
あらゆるテーマの知識を学びながら、人前で話す技術を磨いています
創部から100年を超える歴史ある団体――。それが拓殖大学雄弁会です。
拓殖大学の前身である台湾協会学校設立5年後の1905年から「言論部」として存続する、長い伝統を誇る学内最古の学生団体のひとつです。
委員長の吉田周さん(経済学科2年)が入会したのは、部長である丹羽先生の授業を履修したことがきっかけでした。
「1年次に履修した、部長である丹羽文生先生の『政治学入門』の授業が面白く好きだったことから、雄弁会への入会を決めました。自分が興味を持ったテーマを整理し、わかりやすい言葉で多くの人に伝える。難しい作業ですが、非常にやりがいを感じています」
雄弁会では、年に10回ほどある弁論大会へ向けて、日々技術を磨いています。
「拓殖大学のほか、東京大学や早稲田大学、慶應義塾大学、中央大学など、学生団体が主催の大会や新人大会が開催されています。大会では1人が発表しますが、準備は会員同士で協力して行います。発表したいテーマを決め、関連する書籍や論文、政府の出している白書などを読んで情報収集し、原稿を作成。それをさらに会員同士でブラッシュアップさせながら発表の練習を重ねます」
最近開催された大会では、生物多様性、有害図書、軍事、野球など幅広いジャンルのテーマを選びました。
「発表者本人の伝えたい内容について、まず会員は客観的に見聞きすることから始まります。『初めてそのテーマに触れる人でも理解できるか』『納得できる内容になっているか』をチェックし、添削を行います。私たちはそれを『穴を埋める』と呼んでいますが、この作業は意外にも楽しくてやりがいがあります」
大会での一人の持ち時間はおよそ10分。3000字ほどの原稿をもとに発表します。声のトーンやアクセント、態度および質疑応答での対応力が審査対象です。
「今年は、1年生で2度大会に出た会員がいるのですが、抑揚やメリハリがあり、話す力が徐々にレベルアップしていくのを感じています。雄弁会に参加しているメリットは、人前で話す力がつくことに加え、豊富な知識が得られることです。他大学の弁論部では政治家志望の方が多いこともあり、スピーチの内容も勉強になります。あまり関心のないテーマでも、スッと内容が入ってくるというのが、良い弁論です。弁論は基本的に、①現状分析②解決策③締めという流れですが、上手な弁論ではこの配分が絶妙なバランスで構成されています。大会へ出ると、こういった『聴かせる』弁論ができる方がたくさんいらっしゃるので、いい刺激を受けています」
吉田さんは2年生にして委員長となり、部内のマネジメントやマニュアル作成にも尽力しています。
「コロナ禍で活動が止まってしまったことで、これまで先輩方が築いてきた弁論の基本スタイルや情報収集の方法などの引き継ぎまでストップしてしまいました。手探りで再開したこともあり、地盤を固めていくためのマニュアル作りをスタートさせました。私自身、これまで先頭に立って何かをやるということがなかったのですが、次の代まで伝統をつないでいけるよう責任を持って卒業まで取り組んでいきたいと思っています」
最後に在学生に向けてメッセージをいただきました。
「一見堅苦しく思えますが、弁論のテーマは自身の興味のある分野で挑戦可能です。ぜひ気軽に一度見学しにきてください」
年間の主な活動
- 4月:新歓活動
- 5月:東京大学5月祭記念弁論大会
- 6月:國學院大學學長杯 新人弁論大会
- 7月:夏合宿、春秋杯争奪全日本学生雄弁大会
- 10月:桜門杯争奪全日本学生弁論大会 拓殖大学学長杯争奪全日本学生雄弁大会 ほか1大会
- 11月:大隈杯争奪雄弁大会
- 12月:東京大学総長杯争奪全国学生弁論大会 ほか1大会
- 2月:全日本学生弁論大会 ほか3大会